
100回記念号
Title: Mood states and anxiety influence abilities to maintain balance control in healthy human subjects.
邦題: 気分の状態と不安は健常対象者におけるバランスコントロール維持の能力に影響を及ぼす
Journal: Neurosci Lett. 2002 Aug 23;329(1):96-100.
Authors: Bolmont B, Gangloff P, Vouriot A, Perrin PP.
Reviewer: Yasunobu ISHIKAWA
Abstract
背景:
先行研究では、不安とバランスの異常との関連が示されている。しかしながら、心理的プロセスと平衡の維持との関連は曖昧である。本研究について、我々は、健常高齢者における気分の状態と不安は固有感覚、視覚および前庭系を使用するための能力に影響を及ぼす可能性、およびバランスコントロールに与える影響を調査することである。
方法:
7名の男性の学生は、12日間にわたる平衡検査のプログラムが実施され、気分と不安の状態は自己評価アンケートを使用して評価された。バランスコントロールは感覚統合機能テスト(SOT: Sensory Organization Test)と動作調整機能テスト(MCT: Motor Control Test)の両方を用いて実施された。データはフリードマンの順位に基づく反復測定分散分析を用いて解析された。
結果:
有意な負の相関が不安を含む気分と対象者のバランスコントロールの感覚系および運動系と間に認められた。また、気分のタイプに応じて、気分の状態が低下することで、感覚組織または運動制御を介して、様々な方法でバランスに影響を及ぼす可能性がある。
結論:
本研究の主な結果から、不安を含む気分が低下することは、バランスパフォーマンスを変化させる可能性を示唆する。