
Title : Learning feedback and feedforward control in a mirror-reversed visual environment.
邦題: 逆鏡像の視覚環境でのフィードバックとフィードフォワード制御の学習についての研究
Journal: J Neurophysiol 114: 2187−2193, 2015
Authors: Shoko Kasuga, Sebastian Telgen, Junichi Ushiba, Daichi Nozaki, and Jorn Diedrichsen
Reviewer: Hiroaki WARASHINA
Abstract
背景:
我々は、新規の課題を学習する時、運動システムはフィードフォワード制御とフィードバック制御の両方を身につける必要がある。現在は、これら二つのメカニズムがどのように関連し合っているかあまり知られていない。今回の研究では、私たちはフィードフォワード(FF)とフィードバック(FB)制御は別々に学習される必要があるかどうか、また、新しい制御手段が獲得される時、共通したメカニズムとしてそれらが学習されるかどうかを調査した。
方法:
参加者は神経学的に問題のない右利き23名(女性8名、19−31歳)、ランダムに3つのブループ(エンドポイントFB群9名、オンラインFB群9名、コントロール群5名)に振り分けられた。
参加者は左右逆向きの鏡像による視覚FB環境の中、左右方向か中央方向のターゲットへリーチを練習した。オンラインFB群では実行中の運動修正を許されたが、一方のエンドポイントFB群は運動終了後、ターゲットの視覚情報のみを受けた。FF制御の学習は、斜め左右方向へのリーチの初動の正確性を測定することによって評価された。FB制御の学習は、中央方向へのリーチ時、突然のカーソルの視覚外乱に対する反応を測定することで評価された。
結果:
FF制御は、両群で改善したが、実行中の修正が許されないエンドポイントFB群でより改善した。反対に、FB制御は、実行中の修正を許されたオンラインFB群でのみ適応的に変化し、実行中の修正が許されないエンドポイントFB群では変化はなかった。
結論:
我々の発見は、新しい制御手段が獲得された時フィードフォワードとフィードバック制御は別々に学習され、フィードバックとフィードフォワード制御の間に学習のトレードオフがあるかもしれないことを示唆した。