
Title: Visual impairment and falls in older adults: the Blue Mountains Eye Study.
邦題: 高齢者における視覚障害と転倒:the Blue Mountains Eye Study
Journal: J Am Geriatr Soc. 1998 Jan;46(1):58-64.
Authors: Ivers RQ, Cumming RG, Mitchell P, Attebo K.
Reviewer: Yasunobu ISHIKAWA
Abstract
目的:
地域に在住する高齢者における視覚障害とセルフレポートによる転倒との関連を調査することである。
実験デザイン:
視覚障害と後ろ向きに収集した転倒データを使用した横断研究
実施場所:
オーストラリア、シドニーの西部、Blue Mountainsの2つの郵便番号の地域
参加者:
49歳以上およびそれ以上のすべての人が参加の登録をされ、4433名の有資格者のうち3654名(82.4%)が参加し、さらに3299名が転倒についての質問に回答した。
計測:
対象者は詳細な目の検査を受け、健康と視覚の状態、投薬の使用、および過去12か月間の転倒数に関する質問に答えた。
結果:
視覚機能のテストは、交絡因子の調整後、2回またはそれ以上の転倒と統計的に有意な相関が、視力、コントラスト感度および視野スクリーニングの閾値を超えるものに見られた。後嚢下白内障の存在および非ミオティック緑内障薬物の使用は、2回またはそれ以上の転倒と統計的に有意な関連性を有していた。
結論:
本研究では、視覚の低下、コントラスト感度および視野の低下といった視覚機能の検査と再発する転倒とで独立した関係がみられた。さらに、後嚢下白内障および非ミオティック緑内障薬の存在は転倒との有意な関連であった。この研究の結果は、視力障害と高齢者の転倒との間に関連があるという先行研究を支持する。これらの結果は、眼鏡の着用や白内障手術のような比較的単純で費用対効果の高い手段が、高齢者の転倒予防に重要な影響を与える可能性を示唆する。
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the Blue Mountains Eye Study:オーストラリア・シドニー在住の49歳以上の高齢者3,654名を対象に行った住民健診のこと。