
Title: Pain sensitivity and fMRI pain-related brain activity in Alzheimer's disease.
邦題:アルツハイマー病患者の痛みの感受性およびfMRIによる痛みに関連する脳活動
Journal: Brain. 2006 Nov;129(Pt 11):2957-65.
Authors: Cole LJ, Farrell MJ, Duff EP, Barber JB, Egan GF, Gibson SJ.
Reviewer: Yuki Wakatsuki
Abstract
背景:
アルツハイマー病の患者は、同様の痛みを伴う病気や怪我をした認知的に良好な患者よりも少ない鎮痛薬を投与され、臨床的痛みは少ないと報告している。そして、今回、中枢神経系の痛みの処理に対する神経変性の可能性について調査した。
対象と方法:
本研究では、アルツハイマー病患者14人と年齢が一致したコントロール群15人の機械的な圧力をかけた後の疼痛評価およびfMRIの脳反応を測定した。
結果:
この疾患は疼痛に対する情動反応を減少させる可能性があるという一般的な仮説とは対照的に、我々は、内側および外側両方の疼痛経路における活性が保持されることを示した。中等度の疼痛は、両群において同様の刺激で誘発され、帯状回、島皮質および体性感覚皮質に疼痛関連活動の共通のネットワークと関連していた。群間比較では、コントロール群に比べ、アルツハイマー病患者における疼痛関連活動の減少は示されなかった。コントロール群と比較して、患者は感覚的、情動的および認知的な処理の領域の疼痛関連活動のより大きな振幅および持続時間を示した。その領域は有害刺激に対する持続的な注意に反応する領域と一致していた。
結論:
この研究の結果は、アルツハイマー病患者の疼痛が減少しないことを示し、虚弱な患者における現在の痛みの不適切な治療について懸念される。