
Title: Age-related differences in muscle co-activation during locomotion and their relationship with gait speed: a pilot study
Authors: Hwang-Jae Lee, Won Hyuk Chang, Byung-Ok Choi, Gyu-Ha Ryu and Yun-Hee Kim
Journal: BMC Geriatrics 17 :44 2017
邦題: 歩行中の筋同時活性化の年齢による違いと歩行スピードとの関係:パイロットスタディ
レビュワー藁科弘晃
Abstract
背景:筋同時活性化は、運動学習活動の間、運動調整のための関節安定性を高めるのに重要な役割を果たす。通常の加齢において、高齢者の歩行では、より大きい筋の同時活性化が引き起こされる。この研究は、筋の同時活性化の年齢による変化と、歩行中の筋の同時活性化と時空間パラメータの年齢による変化を調査することと、筋の同時活性化と歩行スピードとの関係を確かめることである。
方法:参加者は46名の成人ボランティア。3つのグループ、若年者15名(男性7名、女性8名、年齢24.27±2.71歳)、中年者15名(男性8名、女性7名、53.71±2.52歳)、高齢者16名(男性7名、女性9名、76.88±3.48歳)。全ての参加者は三次元動作解析装置と12チャネルダイナミック筋電図検査を用いて歩行分析を受けた。
結果:歩行中、高齢者は、若年者や中年者よりも有意に高い下肢の筋同時活性化を示した(p<0.05)。それに対して、高齢者は、若年者及び中年者よりもより低い体幹の筋同時活性化を示した(p<0.05)。筋の同時活性化は、加齢によって歩行スピードと有意に関連していた。体幹の筋の同時活性化は、年齢に基づく歩行速度と有意な正の相関を示した。しかしながら、下肢の筋の同時活性化は、年齢に基づく歩行速度と有意な負の相関を示した。
結論:この発見は、高齢者において体幹の筋同時活性化の低下は歩行不安定性と関連していることを証明した。それゆえ、体幹の筋同時活性化と歩行の不安定性との関係の解明は、転倒予防のめの高齢者の最適なリハビリテーションの発展に役立つだろう。