
Differential Neural Processing during Motor Imagery of Daily Activities in Chronic Low Back Pain Patients.
Vrana A, Hotz-Boendermaker S, Stämpfli P, Hänggi J, Seifritz E, Humphreys BK, Meier ML.
PLoS One. 2015 Nov 16;10(11):e0142391.
邦題: 慢性腰痛患者における日常活動の運動イメージ中の神経系処理の違い
レビュワー平井達也
Abstract
慢性腰痛は患者を衰弱させるだけでなく、ヘルスケアシステムの大きな負担につながる。これまでの研究は、行動的変化を含む脊椎および上部脊椎レベルの慢性腰痛患者において様々な構造的・機能的変化の不適応を報告している。しかしながら、慢性腰痛患者の感覚運動システムにおける大脳皮質の再組織化に関する根拠は少ない。運動イメージは、運動実行に近似しているという意味において、皮質の感覚運動ネットワーク研究に適している。我々の目的は、fMRIを用いて健常コントロールに対し慢性腰痛患者における運動イメージで駆動する皮質処理の違いを調査することであった。29名(慢性腰痛患者15名、健常コントロール14名)が本研究に含まれた。運動イメージ刺激は、平地歩行や階段昇降のような異なる全身動作を含むADLのビデオクリップをランダムに提示した。 ビデオクリップに誘導され、被験者はこれらの活動の運動イメージを行わなければならず、その後、運動イメージの鮮明さが評価された。脳活動の分析は、慢性腰痛患者は運動イメージ関連領域において健常コントロールの活動と比較し有意に減少したことを示した。さらに、生理心理学的相互関係の分析は、機能的結合における拡散MRIと非特異的変化を含む慢性腰痛患者において、様々な運動イメージ関連脳領域間の有意に強調された機能的結合をもたらした。今回の結果は感覚運動ネットワークにおける再構成処理に向けて示された慢性腰痛患者の運動イメージに駆動される皮質処理の違いに関する初期の知見である結果である。
URL: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4646462/pdf/pone.0142391.pdf