
Associations Between Practice-Related Changes in Motor Performance and Muscle Activity in Healthy Individuals: A Systematic Review.
Brueckner D, Kiss R, Muehlbauer T.
Sports Med Open. 2018 Feb 8;4(1):9. doi: 10.1186/s40798-018-0123-6. Review.
邦題: 健常者における運動パフォーマンスと筋活動の練習関連変化の関連性:システマティックレビュー
レビュワー平井達也
Abstract
BACKGROUND:
よく学習された運動技能は、運動実行中の筋活動により特徴付けられる。しかしながら、運動パフォーマンスにおける練習に関連した変化が筋活動の量的指標と関連するか不明であり、もしそうならば、その関連性が調査された筋(動筋と拮抗筋)および量的な筋電図パラメータにより異なるであろうか。以上から、我々は、システマティックレビューをおこない、健常者における運動パフォーマンスと筋活動の関連性を特徴付ける。
METHODS:
コンピュータによるシステマティック文献検索は2017年7月に PubMed、Web of Science そして SPORTDiscusにより行われた。システマティックアプローチは初期のレビューに対して1670文献を同定し評価を適応した。研究は、筋活動量(iEMG、 RMS、筋活動期間、筋活動ピーク時間)と少なくとも1つの運動パフォーマンス(例えば、エラースコアや運動時間)で6歳以上の健常者を調査したもののみ採用した。24文献がレビューの条件に採用された。採用された研究は年齢、学習課題、練習様式と調査筋でコードされた。
筋活動の振幅と期間の変化に関連する運動パフォーマンスの変化の相関関係は抽出され、変換( Fisher's z-transformed rz value)、集計され( weighted mean rz value)、そしてr値に逆変換された。サンプルサイズを増やすために、運動パフォーマンス、筋電図項目における練習前後のデータを例外的に加え、両者の関連性をよりよく変化の割合が計算された。相関はそれらの量に従い分類された (i.e., small r ≤ 0.69, medium r ≤ 0.89, large r ≥ 0.90)。
RESULTS:
5つの研究は運動パフォーマンスとEMG活動における練習に関連した変化の間の相関関係を報告した。
我々は動筋と拮抗筋EMGの振幅と時間の測定に伴う運動パフォーマンスにおける練習に関連した変化の低い関連性を見出した (range r = 0.015-0.50)。変化の割合についての計算に基づく二次的な分析はまた、動筋 (r = - 0.25, 11 studies)と拮抗筋(r = - 0.24, 7 studies)のEMG振幅、および拮抗筋のEMG時間(r = 0.29, 5 studies)の運動パフォーマンスの変化において低い関連性を明らかにした。
CONCLUSIONS:
我々のシステマティックレビューは、健常者における動筋と拮抗筋のEMG振幅と持続時間と運動パフォーマンスにおいて練習関連の変化の間に低い関連性を示した。これらの知見は、練習関連変化は量的な筋電図測定によって一部のみ説明され得ることを示す。以上のことから、運動パフォーマンスにおける練習関連変化のバイオメカニカルな機序の調査研究は、筋活動の質的な測定(例えば、筋活動のタイミングや同時収縮のレベル)と他のバイオメカニカルな変数(例えば、力学や運動力学)を加えるべきである。
URL: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5805672/pdf/40798_2018_Article_123.pdf