
Title: Effects of underwater treadmill training on leg strength, balance, and walking performance in adults with incomplete spinal cord injury.
邦題:不全脊髄損傷を有した高齢者の水中トレッドミルトレーニングの下肢筋力、バランスおよび歩行パフォーマンスへの効果
Journal:J Spinal Cord Med. 2015 Jan;38(1):91-101.
Authors: Stevens SL, Caputo JL, Fuller DK, Morgan DW.
Reviewer: Yasunobu ISHIKAWA
Abstract
目的:不全脊髄損傷(iSCI)を有した高齢者における下肢筋力、バランスおよび歩行パフォーマンスの水中トレッドミルトレーニング(UTT)の効果の記録することである。
デザイン:プレテストとポストテストデザイン
設定:生理学的実験室での運動
参加者:iSCIを有した高齢ボランティア(n=11)
介入:参加者は8週間(週3回)のUTTを完了した。それぞれのトレーニングセッションは、3つの歩行から成り、歩行の間には十分な休憩とり、個々のスピードで実施した。Body weight supportはそれぞれの対象者に対して一定のままであり、地上での体重の29~47%の範囲とした。歩行速度と持続時間についての増加は、段階的で系統的な方法で変化させながら負荷した。
評価項目:下肢筋力(LS)、バランス(BL)、快適と最速の歩行速度(PWSとRWS)、6分間歩行距離(6MWD)およびdaily step activity(DSA)とした。
結果:有意な増加(P<0.05)は UTTの実施によって、LS (13.1 ± 3.1から20.6 ± 5.1 N·kg−1)、BL (23 ± 11から32 ± 13)、 PWS (0.41 ± 0.27から0.55 ± 0.28 m·s−1)、RWS (0.44 ± 0.31から0.71 ± 0.40 m·s−1)、6MWD (97 ± 80から177 ± 122 m)、およびDSA (593 ± 782から1310 ± 1258 steps)で観察された。
結論:
身体機能と歩行能力は、Body weight supportの水準を個々に合わすのと速度と持続時間の段階を注意深く増加させるのを特徴とするUTTの構造的なプログラムによって、iSCIを有する高齢者で改善した。臨床的な視点から、これらの知見は、身体的な能力障害や低下を有している対象においてUTTの重要な発展性であり、それは体重を支持する運動(weight-supported exercise)の役に立つだろう。