
Title:. Muscle force and gait performance: relationships after spinal cord injury.
邦題: 筋力と歩行パフォーマンス:脊髄損傷後の関連性
Journal:Arch Phys Med Rehabil. 2006 Sep;87(9):1218-22.
Authors:Wirz M, van Hedel HJ, Rupp R, Curt A, Dietz V.
Reviewer: Yasunobu ISHIKAWA
Abstract
目的:脊髄損傷(SCI)後の最初の6ヶ月以内での移動機能の改善、および下肢筋力スコア(LEMS)の増加との関連について、損傷レベルが歩行能力の帰結に影響する程度を評価することである。
デザイン:縦断および横断研究
設定:7つのSCIリハビリテーションセンター
参加者:患者(N=178)は縦断的に解析された。受傷後1か月後の評価に基づき、以下の群に分けた(グループA:完全な運動障害;下肢の筋収縮も歩行機能もない、グループB:不完全な運動:自発的な運動は維持されているが歩行能力はない、グループC:不完全な運動で立位や歩行が可能)。横断的な解析には86名の患者が含まれた(対麻痺n=46、四肢麻痺n=40、SCIの6ヶ月後の歩行機能を評価し、制限されているものをグループ1、制限されていないものをグループ2とした)。
介入:当てはまらない。
結果:グループAについて、患者の24.8%でLEMS(中央値 範囲、0-10)、7.7%で歩行機能(WISCI中央 範囲、0-8;平均歩行速度範囲0to.14±0.10m/s)が改善した。グループBについて、患者の93.5%のLEMS(中央値 範囲、14-28)、患者の84.8%の歩行機能(WISCI 中央値 範囲、0-10;平均歩行速度範囲、0から0.41±0.45m/s)(P<0.001)が改善した。グループCについて、LEMSと歩行機能は患者の100%で改善した(LEMS 中央 範囲、29-41;WISCI中央 範囲、8-16;平均歩行速度範囲、0.36±0.29m/sから0.88±0.44m/s)(P=0.001)。グループBとCについて、歩行機能歩改善はLEMSより大きかった。横断解析は、下半身の対麻痺を有す患者と比較して(LEMS, 23; P<.01; WISCI, 12; P=0.6; speed, 0.4+/-0.3 m/s; P=.68)、四肢麻痺を有したグループ1の患者はより大きな筋力(中央 LEMS、31.5)と同じく歩行機能(WISCI, 8; walking speed, 0.4+/-0.3 m/s)を示した。グループ2について、下半身の対麻痺を有す患者と比較して (LEMS, 45; P<.05; WISCI, 20; P=1.0; speed, 1.4+/-0.3 m/s; P=.89)、四肢麻痺を有す患者は有意に強い筋力 (LEMS, 48)と歩行機能 (WISCI, 20; walking speed, 1.4+/-0.3 m/s)であった。
結論:移動(歩行)機能の改善はLEMSの増加を常に反映するわけではなく、LEMSの改善は移動機能の改善に必ず関連しない。LEMSと歩行できる容量は四肢及び対麻痺を有した患者の異なる関連であった。機能検査は臨床の評価を補完するものであると思われる。