
Balance ability and postural stability among patients with painful shoulder disorders and healthy controls.
Baierle T, Kromer T, Petermann C, Magosch P, Luomajoki H.
BMC Musculoskelet Disord. 2013 Oct 2;14:282.
邦題: 肩痛患者と健常者におけるバランス能力と姿勢安定性
レビュワー平井達也
Abstract
BACKGROUND:
治療場面において、肩痛を持つ患者は、しばしば、体幹や下肢の協調的な活動が明らかに減少している。本研究の目的は、以下の調査をすることである。1)方の痛みとバランス能力および姿勢安定性の欠損の関連があるか、2)痛みの強さはバランス能力と姿勢安定性と関連するか、3)BMIとバランス能力および姿勢安定性の関連はあるか。
METHODS:
症例コントロール研究において、肩の病変を伴う痛みを持つ患者(40名)とマッチした健常コントロール(40名)はバランス能力と姿勢安定性に関して比較された。測定項目は、姿勢安定性、バランス能力、S3-Checkシステムを用いて計測された対称性指標であった。加えて、結果の指標に対する肩痛の強度とBMIの影響が分析された。
RESULTS:
肩痛を持つ患者は、健常コントロールと比較して、姿勢安定性(左右、前後)、バランス能力(左右、前後)の測定結果が有意に悪かった。対称性指標に関してはグループ間の違いはなかった。しかしながら、肩痛グループ内の患側への傾きは有意であった。痛み強度とバランス能力もしくは姿勢安定性の相関はなかった。同様に、 BMIとバランス能力と姿勢安定性における欠損の相関がないことが示された。
CONCLUSIONS:
病理的な肩痛を持つ患者はバランス能力と姿勢安定性における欠損を持つが、それが残存する基盤のメカニズムは明らかになっていない。痛み強度とBMIの両方とも結果の項目に影響はなかった。肩痛を持つ患者は患側に体重がシフトしていた。今後、バランストレーニングが肩の病理を持つ患者のリハビリテーション結果を改善しうるか検討する必要がある。
URL: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3852398/pdf/1471-2474-14-282.pdf