
Contribution of Musculoskeletal Pain to Postural Balance in Community-Dwelling People Aged 75 Years and Older
Katri Lihavainen, Sarianna Sipilä, Taina Rantanen, Sanna Sihvonen, Raimo Sulkava,and Sirpa Hartikainen
J Gerontol A Biol Sci Med Sci. 2010 Sep;65(9):990-6.
邦題:75歳以上の地域在住者における姿勢バランスに対する筋骨格痛の影響
レビュワー田中敬大
Abstract
背景:バランスは、安全で独立したモビリティのための最も重要な前提条件の1つである。 筋骨格痛が立位バランス障害に関連しているかどうかは限られた注目を集めている。 本研究の目的は、高齢者における筋骨格痛とバランスの制御との関連を調べることであった。
方法:75歳以上(平均年齢80.4歳、女性71%)に参加した605人の参加者全員が、筋骨格痛の有無と重症度についてインタビューを受けた。 バランスはフォースプラットフォームにより測定され、バランス障害は高い揺れ速度モーメントまたはセミタンデムの地位を維持できないことと定義された。
結果:筋骨格系疼痛が参加者の48%によって報告され、その大多数は下肢または背中に中等度から重度の疼痛を有していた。 中等度から重度の筋骨格系疼痛のある参加者は、疼痛のない参加者よりも立位時に動揺が大きかった。 年齢、性別、体重、慢性疾患、筋力、および身体活動をコントロールした後、中等度から重度の疼痛を有する参加者は、痛みのない人たちと比較して、バランス障害のリスクが2倍以上(オッズ比2.33、95%信頼区間1.44〜3.76)であった。
結論:この知見は、中等度から重度の筋骨格系疼痛と立位バランス障害との間の直接的な関係を示す。 疼痛は、バランス障害の予防および高齢者のさらなる運動制限のための重要な標的と思われる。