
Prediction of dementia by subjective memory impairment: effects of severity and temporal association with cognitive impairment.
Arch Gen Psychiatry. 2010 Apr;67(4):414-22.
Jessen F, Wiese B, Bachmann C, Eifflaender-Gorfer S, Haller F
主観的記憶障害による認知症の予測
レビュワー平井達也
Abstract
CONTEXT:
主観的記憶障害(SMI)は、ADが臨床的に表れる過程における、前MCIの状態として注目されている。
OBJECTIVES:
SMIにより、どのような認知症、例えばADや脳血管性、に転換するリスクがあるかを確認すること。SMIに関連する不安のレベルやSMIもしくは続いて起こるMCIを段階付けする。
DESIGN:
ベースラインから1年および3年のフォローアップによる縦断的コホート研究。
SETTING:
一次的な医療記録サンプル
PARTICIPANTS:
ドイツの一次ケア患者を対象とした加齢、認知機能、認知症研究における75歳以上の認知機能障害者を除く2415名。
MAIN OUTCOME MEASURES:
ベースラインでSMIに伴う不安の有無により1年もしくは2年のフォローアップで、およびベースラインでのSMIと1年のフォローアップでのMCIという相違による2年後のフォローアップでどのような認知症(ADもしくは脳血管性)に転換するか。
RESULTS:
一次分析において、ベースラインでの不安を伴うSMIは認知症(ハザード比3.53、95%CI2.07-6.03)もしくAD(ハザード比6.54、95%CI2.82-15.2)変換への最も大きなリスクと関連した。AD変換にたいする感度は69.0%で、特異度は74.3%であった。二次分析において、ベースラインでのSMIと1年フォローアップでのMCIは、2年後の認知症(オッズ比8.92、95%CI3.69-21.60)もしくは AD(オッズ比19.33、95%CI5.29-70.81)変換への最も大きなリスクと関連した。さらに、ベースラインでのSMIと1年後の 健忘型MCIは、認知症(オッズ比29.24、95%CI8.75-97.78)もしくはAD(オッズ比60.28;、95%CI12.23-297.10)変換のリスクを増加させた。
CONCLUSION:
健忘型MCIにつながるSMIによるADの予測は、連続した3段階のモデルを支持する。
URL: https://jamanetwork.com/journals/jamapsychiatry/article-abstract/210675