
Title: Spatiotemporal variability during gait initiation in Parkinson’s disease
邦題:パーキンソン病患者における歩行開始時変動
Journal: Gait Posture. 2012 July ; 36(3): 340–343.
Authors: RT Roemmich, JR Nocera, S Vallabhajosula, S Amano
Reviewer: Yuuki Yoshimoto
Abstract
背景と目的:
安定した静止姿勢からダイナミックな歩行に移行する歩行開始時に一貫したステップをすることは重要である。パーキンソン病(PD)患者は歩行障害や姿勢の不安定性が特徴であるが、歩行開始時変動におけPD患者と健常高齢者の比較に関する検討はすくない。本研究の目的は①PD患者と健常高齢者の歩行開始時変動に差がみられるか②PDの重症度が歩行開始時変動に影響するかを検討することである
方法:
46名のPD患者と、49名の健常高齢者を対象とした。対象の歩行開始1歩目2歩目の歩幅、歩隔、スイング時間をWalkwayと3次元動作解析システムにて計測、それぞれのパラメータから変動係数を算定し歩行開始時変動とした。それぞれのパラメータを2群間で一元配置分散分析により比較。PDの重症度をUPDRSスコアにて大別し、PD群の歩行変動とピアソン相関係数を用い検討した。
結果:
PD群が健常高齢者に比し、歩幅とスイング時間において大きな歩行開始時変動を示した。PDの重症度と歩行開始時変動は相関しなかった。
著者の結論:
PD患者は静止立位からの姿勢移行時に転倒が頻回に発生する。歩行開始時の変動の増大はそれに大きく関与していると考える。