
Title: Step length variability at gait initiation in elderly fallers and non-fallers, and young adults.
邦題:転倒高齢者、非転倒高齢者、若年者における歩行開始時の歩幅変動
Journal: Gerontology. 2003 Jan-Feb;49(1):21-6.
Authors: Mbourou GA, Lajoie Y, Teasdale N.
Reviewer: Yuuki Yoshimoto
Abstract
背景と目的:
歩行変動は、重要な転倒予測因子である。また、転倒しやすい高齢者は静的姿勢からダイナミックな動作への移行、方向転換、リーチ課題などのテストで低値を示し、これらのテストは、立位から歩行へ移行する歩行開始の問題を示唆するものである。本研究の目的は、歩行開始時、特に1歩目の歩幅を評価することが転倒高齢者において重要か検討することである。
方法:
9名の転倒高齢者(FE)、8名の非転倒高齢者(NE)、8名の若年成人(YA)を対象とした。対象は快適歩行速度でWalkway上を計5回歩行し、その際の歩行開始時パラメータを計測し、変動係数を算出した。
結果:、
1歩目の平均歩幅はFE:295mm、NE:525mm、YA:745mmで各群間に差が認められた。1歩目の歩幅変動はFE:45.34%、NE:12%、YA:8.05%とFE vs NE、FE vs YAにおいて差が認められた。
著者の結論:
転倒高齢者の歩行開始時1歩目の変動は、非転倒高齢者、若年成人の2倍以上の値を示した。これらの変動を観察することは、転倒高齢者など姿勢やバランスの問題を抱える対象の評価として重要である。