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Title:  Coffee and green tea consumption in relation to brain tumor risk in a Japanese population.

邦題: 日本人におけるコーヒー摂取量,緑茶摂取量と脳腫瘍リスクの関係

Journal:   Int J Cancer. 2016; 139 (12) : 2714-2721.

Authors:   Ogawa T, Sawada N, Iwasaki M, Budhathoki S, et al.

Reviewer:  Maki AOYAMA

目的:  コーヒー,緑茶,それぞれの摂取量と脳腫瘍発症の関係を40歳以上の日本人10万6000人を平均18年追跡調査し,摂取量と脳腫瘍リスクの関係を調査した.

内容:  国立がん研究センターの小川隆弘氏らは,日本全国の11の保健所管内(岩手県二戸,秋田県横手,長野県佐久,沖縄県中部,東京都葛飾区,茨城県水戸,新潟県長岡,高知県中央東,長崎県上五島,沖縄県宮古,大阪府吹田)に住む人々を対象に,長期にわたって行われたJPHC Study(「多目的コホートに基づくがん予防など健康の維持・増進に役立つエビデンスの構築に関する研究」)の一環として,コーヒーと緑茶の摂取量と,その後の脳腫瘍発症の関係を調査した.

     対象者は,JPHC Study参加した時点で,癌や循環器疾患では無かった40~69歳の分析に必要なデータがそろっていた10万6324人.1990年または1993年から2012年末まで追跡調査し,脳腫瘍発症の有無を確認した.

     参加当初に,コーヒーと緑茶の摂取習慣について質問票を用いて調査した.参加者には,週に1~2日,週に3~4日,1日に1~2杯,1日に3~4杯,1日に5杯以上の選択肢のなかから,摂取量に該当するものを選ぶように依頼した.その結果に基づき,週に4日以下の群,1日に1~2杯の群,1日に3杯以上の群の3群に分けた.コーヒー摂取量に基づき3群に割り振られた人は,週に4日以下が6万1371人(参加時点の年齢平均は53.3歳,男性44.1%),1日に1~2杯が2万8345人(50.1歳,男性40.0%),1日に3杯以上は1万2230人(47.9歳,男性75.0%).

     平均18.1年の追跡期間中に,157人が脳腫瘍と新たに診断された.これらの脳腫瘍発症者のうち,コーヒー摂取量が週に4日以下は102人,1日に1~2杯が45人,1日に3杯以上は8人であった.

結論:   コーヒーを週に4日以下しか飲まないグループを参照群として比較した場合,1日3杯以上コーヒーを摂取している群は,脳腫瘍リスクが53%低いことが明らかになった.しかし,コーヒーの摂取量が増えるほどリスクが下がる,といった傾向は見られなかったことから,摂取量が一定レベルを超えた場合,急に脳腫瘍抑制効果が現れる可能性が考えられる.

     同一方法により,緑茶の摂取量と脳腫瘍の関係も調査したが,有意な関係は認められなかった.

著者らは,今回対象とした集団においては,コーヒーを1日に3杯以上飲む人が比較的少なかったことから,より大規模な研究を実施し,今回の結果を確認する必要があると述べている.

 

URL: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27560973

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