
Title: Identifying and Managing Pain in People with Alzheimer’s Disease and Other Types of Dementia: A Systematic Review
邦題:アルツハイマー型認知症とその他のタイプの認知症患者の痛みの認識と管理:システマティックレビュー
Journal: CNS Drugs.2016 Jun;30(6):481-97.
Authors: Husebo BS,Achterberg W,Flo E
Reviewer: Yuki Wakatsuki
Abstract
背景と目的
アルツハイマー病患者の痛みは複雑な問題である。これらの患者は急性痛や慢性痛を生じており、神経障害性疼痛や侵害受容性疼痛を持っている。このような患者の痛みのメカニズムがどうであれ、正確なタイプ分類や薬剤投与のために、彼らの痛みを注意深く評価し、管理することが要求される。このシステマティックレビューの目的は、介護施設や終末期での、異なった投薬による痛みの強さや痛み関連行動への効果を確認することである。
方法
検索ワードは、pain, pain treatment, and dementia MESH termsであり、MEDLINE,EMBASE, PsychINFO,CINAHL, and Cochrane librariesにて検索した(2015.10.15)。
結果
我々の検索では、1990年から2015年の間で3138件ヒットした。我々はタイトルと要約を読み、124論文の全文を評価し、その中の12論文で以下の疑問を検討した。(1)どの痛みの評価が痛みの強さの得点を反映しやすいのか?(2)介護施設や終末期の認知症を含んだ対象者に、どの薬剤が効果的か?(3)どの評価指標が認知症患者の痛みの強さや痛み行動、効果判定を確認するために使用されたか?
結論
鎮痛剤の使用は増加するにもかかわらず、痛みを有する認知症患者は多く存在していた。妥当な痛み評価のツールは利用可能ではあるが、あまり実施されておらず、治療に対する反応性は十分ではなかった。介護施設にいる認知症患者への痛みの評価と治療の公的なガイドラインはない。痛みや神経心理学的行動の鎮痛薬の効果はほとんど調査されていなかった。