
Title: The risk of a second hip fracture in patients after their first hip fracture..
邦題:大腿骨近位部骨折患者の再骨折リスク
Journal: Calcif Tissue Int. 2012 Jan;90(1):14-21
Authors: Hagino H, Sawaguchi T, Endo N, Ito Y, Nakano T, Watanabe Y.
Reviewer: Yuuki Yoshimoto
Abstract
背景と目的:
各国で大腿骨近位部骨折の罹患率に違いがみられている。また、アジア地域における近位部骨折後の再骨折に関する疫学調査は少なく、現在もアジア地域における大腿骨近位部骨折後に関する対処法は確立されていない。本研究の目的は、大腿骨近位部骨折後の再骨折について調査することである。
方法:
5つの地域にある25の病院で判明した65歳以上の大腿骨近位部骨折患者2328人を対象とした。年代別の発生率について65歳から10歳ごとに年代分けを行い、地域在住高齢者の罹患率と比較した。また、初回骨折後の再骨折リスクにおける調整オッズ比を検討した。サブ解析にて、再骨折群における初回骨折前の移動機能を自立群と補助具使用群で群分けして比較した。
結果:
2328名の対象のうち153名が四肢体幹いずれかの再骨折を罹患し、77名が大腿骨近位部再骨折を罹患した。大腿骨近位部再骨折は同年代の地域在住高齢者に比し4倍の罹患率であった。年代別では、65-74歳で18.6倍となり、75歳以上で1.5-3.3倍であった。また、サブ解析で行った移動機能については、四肢体幹いずれかの再骨折において補助具使用群が自立群に比し多くみられ、近位部再骨折において有意差はみられなかった。
考察:
一般高齢者に比し、近位部骨折患者の再骨折リスクは高いことがわかった。