top of page

Title: 高齢整形外科患者の理学療法施行中における歩行の距離・時間因子の変化
Journal: 理学療法学. 31(5), 312-318,2004
Authors: 成田寿次, 内山覚, 山口勇, 荒畑和美, 亀田英俊
Reviewer: Yuuki Yoshimoto
Abstract
背景と目的:
理学療法の分野において距離・時間因子をCV(変動係数)により評価し、歩行能力の変化を捉えた報告は少ない。本研究の目的は、高齢整形外科患者における歩行の回復過程について歩幅と1歩時間の変動係数を用いて検討を行なうことである。
方法:
対象は、入院中の高齢整形患者11名で、疾患は膝OA、股OA、TKA,THA、大腿骨近位部骨折患者などであった。歩行測定は2回実施し、1回目は入院後に介助無しでの歩行が可能になった時点、2回目は退院直前の時点で測定した。歩行変数として、歩幅、1歩時間、歩行速度を測定した。
結果:
1回目と2回目の比較において、平均歩幅と平均一歩時間は有意に長く、歩行速度は有意に早くなり改善を示していた。歩幅のCVは7名が減少、4名が増加していた。一歩時間のCVは6名が減少、3名が増加していた。
考察:
各変数の平均値は1回目に比較し2回目で有意に改善を示し、歩行能力は改善を示していると考えられる。歩幅のCVについて1回目の測定でCVが10%以内と低い者が多く、健常高齢者の値の範囲内であった。1歩時間については、CVが増加した3名において患側の立脚時の変動が大きかった。2回目の測定において5名が10%以上で、一歩時間のCVの改善は認められなかった。
bottom of page