
Title: Psychological indicators of balance confidence: relationship to actual and perceived abilities.
邦題:バランスの自信の心理的指標:実際と知覚の能力との関連
Journal: J Gerontol A Biol Sci Med Sci. 1996 Jan;51(1):M37-43.
Authors: Myers AM, Powell LE, Maki BE, Holliday PJ, Brawley LR, Sherk W.
Reviewer: Yasunobu ISHIKAWA
背景:
本研究はいくつかのバランスの自信の心理的指標と身体能力、過去と現在の経験、性差によるバイアス、および日常機能での他の知覚との関係を比較する。
方法:
60名の歩行可能な地域在住高齢者(65-95歳)は転倒効力感(FES)、Activities-Specific Balance Confidenceスケール(ABC)、および“転倒恐怖感”、“活動の回避”、“屋外で歩行するために個人的な援助が必要と感じるか”の3つに対して2件法での質問を実施した。歩行(平均速度)とバランス(静的重心動揺)のパフォーマンスの測定は21名のサブサンプルより得られた。
結果:
ABCおよび“屋外で歩行するために個人的な援助が必要と感じるか”によって評価されたバランスの自信のみがパフォーマンスの評価と有意に関係する指標であった。予想通り、バランスを知覚する能力は過去の経験(転倒経験)よりも現在の行動(具体的な活動を行うための頻度)とより強い関連であった。セルフレポートでの性差は2つのエフィカシー評価だけでなく全体的な転倒恐怖感の指標に対しても明らかにした。
結論:
バランスの自信の心理的指標はバランステストのパフォーマンスと併せ、リハビリテーションで効率的に焦点化を図るためには両方の評価をすることが重要である。今回、評価された指標のうち、転倒恐怖感についての2件法の質問は少なくとも有用性をもっていると思われる。“屋外で歩行するために個人的な援助が必要と感じるか”の知覚は、身体能力と自信の両面に基づいて人物を認識するための最初の臨床でのスクリーニングの質問で有効である。ABCスケールは中等度から高い機能の高齢者に対する評価指標として最良の有用性を有すると思われる。