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Title:  Defecation frequency and cardiovascular disease mortality in Japan: The Ohsaki cohort study.

邦題: 日本における便秘と循環器疾患での死亡:大崎コホート研究

Journal:  Atherosclerosis. 2016 Mar ; 246:251-6.

Authors:  Honkura K, Tomata Y, Sugiyama K, et al.

Reviewer: Maki AOYAMA

Abstract

背景:

4日に1回以下しか排便しない人は,1日1回以上排便する人と比較した場合,脳卒中や心筋梗塞などの循環器疾患で死亡する危険性が約1.4倍になることが東北大学大学院公衆衛生学分野の本藏賢治先生らが行った研究で分かった.便秘と脳卒中や心筋梗塞に関係?排便頻度が低下するにつれてリスクは上昇する!

目的:

便秘は健康に悪影響を及ぼすと考えられているが,今まで,排便の回数と循環器疾患による死亡の関係について調べた研究はなかった.排便頻度と循環器疾患の関係調査し,明らかにする.

方法:

宮城県大崎保健所の管内在住の,国民健康保険に加入している40~79歳の住民を対象とした.これらの人々の中から,1994年9月から12月まで行われた調査で排便の回数に関する質問に回答し,調査時点で循環器疾患やがんなどの病気にかかったことがない4万5112人を選出し,2008年3月31日まで13.3年間追跡調査した.その間,2028人が循環器疾患で死亡していた.

データの収集と分析:

1994年9月から12月まで行われた調査で排便の回数に関する質問に回答し,調査時点で循環器疾患やがんなどの病気にかかったことがない4万5112人を選出し,2008年3月31日まで13.3年間追跡調査した.

 排便頻度についての質問に対する回答に基づき,対象者を「排便1日1回以上」(3万6158人,男性の割合は52.2%),「排便2~3日に1回」(8119人,男性は31.5%)、「排便は4日に1回以下」(853人,男性は27.3%)の3群に分けた.

 循環器疾患による死亡との関係を調べるに当たり,結果に影響を与える要因であろう,性別,年齢,既往歴(糖尿病,高血圧),生活習慣(飲酒,喫煙,野菜や果物の摂取,歩行時間),ストレスの程度,配偶者の有無,就業状況などについても情報を得,解析した.

主要結果:

 1日1回以上排便する群を参照群とすると,循環器疾患による死亡リスクは,排便頻度が低下するにつれて上昇する傾向を示した.循環器疾患で死亡するリスクは,排便が2~3日に1回の群で1.21倍,4日に1回以下の群では1.39倍であった.

 循環器疾患のうち,脳卒中による死亡は,排便が2~3日に1回の群のリスクが1.29倍,4日に1回以下の群では1.90倍と,特に上昇していた.

研究結果への期待:

 なぜ便秘が循環器疾患のリスクを高めるのか?そのメカニズムの解明には今後の研究を待たねばならない.

 

URL:  http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed (この論文に関してはアブストラクトのみ無料公開)

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