Title: The risk of being fearful or fearless of falls in older people: an empirical validation.
邦題:転倒を恐怖としている高齢者と恐怖としていな高齢者のリスク:実験的な検証
Journal: Disabil Rehabil. 2006 Jun 30;28(12):751-6.
Authors: Delbaere K, Crombez G, Van Den Noortgate N, Willems T, Cambier D.
Reviewer: Yasunobu ISHIKAWA
Abstract
目的:
転倒を恐怖としている高齢者と恐怖としていない高齢者のリスクを検討することである。
方法:
フォースプレートを使用し、263名の地域在住高齢者の異なる感覚とリズミカルな条件の姿勢制御が計測された。その他の評価には転倒の恐怖および握力が含まれた。転倒発生率はベースラインから1年間のフォローアップ期間に評価された。
結果:
ロジスティック回帰分析は開眼での近接タンデム立位の横方向の動揺の増加(OR = 5.33; p < 0.01)と前後のリズミカルな体重移動のパフォーマンスの悪化(OR = 0.65; p < 0.05)は転倒との関連があることを明らかにした。単変量解析は、不適切に高い転倒の恐怖を有した高齢者は転倒発生率に応じてリズミカルな体重移動のバランス能力が悪化していたが、同じような静的バランスと身体能力であることを明らかにした。不適切に低い転倒の恐怖を有した高齢者は良好な握力であったが(p < 0.05)、比較群とくらべると等しく悪いバランス能力であった。
結論:
結果は転倒に関連して横方向の安定性の重要性を示す。それはまた、身体能力に不適応な転倒の恐怖は実質的な影響を及ぼすことを示唆する。不適切に低い転倒の恐怖を有した高齢者は高い筋力のために能力を過大評価しているのに対して、不適切に高い転倒の恐怖を有した高齢者は動的バランステストの能力の悪い結果として過小評価しているのかもしれない。