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Reviewer: Yasunobu ISHIKAWA

Abstract

背景:

高齢者にけるバランスの低下は身体機能の低下と関連しており、さらに転倒のリスクを高める。今回、2007年に最初に公開したコクランレビューのアップデートをした。

 

目的:

60歳以上で地域在住またはケア施設に住む高齢者のバランスの運動介入の効果を調査することである。

 

検索方法:

我々はコクランの骨、関節や筋肉の外傷グループの専門の登録、CENTRAL(コクランライブラリ2011年、第1号)、MEDLINEとEMBASE(2011年2月)を検索した。

 

選択基準:

高齢者のバランスに対して運動介入の効果を行ったランダム化比較試験とした。レビューの主な効果判定は臨床でのバランス評価とした。

 

データの収集と分析:

レビューのペアは独立してバイアスのリスクを評価し、研究よりデータを抽出した。データは適切にプールされた。

 

主要結果:

今回のアップデートには94の研究(新規62件)と9,917名の参加者が含まれた。ほとんどの参加者は在宅に住む女性であった。ほとんどの試験は選択バイアスに不明確なリスクがあると判定された。また、全体的にランダム化法の不十分な報告を反映し、参加者の盲検不足に関連する施行バイアスのリスクが高いが、これらの試験の大部分は避けられない。ほとんどの研究は運動プログラムの終了までの結果を報告したのみである。運動プログラムは8つのカテゴリーに分類された。運動プログラムの終了時にいくつかの統計的に有意な効果を認めたエビデンスがあったため、バランスの主な計測と一緒に以下に記載されている。いくつかの試験は複数のタイプの運動をテストした。決定的に、それぞれの効果判定に対するエビデンスは全体的に個々の運動カテゴリーの試験のわずかであった。1.歩行、バランス、調整と機能課題(10の主要な効果判定データが提供された19の研究):Timed Up & Go test(平均差(MD)-0.82 s; 95% CI -1.56 to -0.08 s,114名の参加者、4つの研究);歩行速度(標準化された平均差(SMD)0.43; 95% CI 0.11 to 0.75,114名の参加者、4つの研究)さらに、Berg Balance Scale (MD 3.48 ポイント; 95% CI 2.01 から 4.95 ポイント, 145名の参加者、4 つの研究)であった。2.筋力増強運動(抵抗やパワートレーニングなど)(11の主要な効果判定データが提供された21研究):Timed Up & Go Test (MD -4.30 s; 95% CI -7.60 から -1.00 s, 71名の参加者, 3研究); 閉眼での片脚立位の保持時間(MD 1.64 s; 95% CI 0.97 から 2.31 s, 120名の参加者、3研究);歩行速度(SMD 0.25; 95% CI 0.05 から 0.46、375名の参加者、 8研究)。3.3D(3次元)運動(太極拳、気功、ダンス、ヨガを含む)(7の主要な効果判定データが提供された15研究):Timed Up & Go Test (MD -1.30 s; 95% CI -2.40 to -0.20 s, 44名の参加者、1研究);開眼での片脚立位の保持時間(MD 9.60 s; 95% CI 6.64 から12.56 s, 47名の参加者、1研究),さらに閉眼(MD 2.21 s; 95% CI 0.69から3.73 s, 48名の参加者, 1研究);Berg Balance Scale (MD 1.06 points; 95% CI 0.37から1.76ポイント, 150名の参加者, 2研究)。4.全身の身体活動(歩行)(5の主要な効果判定データが提供された7つの研究)5.全身の身体活動(自転車)(歩行速度に対しての主要なデータが提出された1つの研究)。6.視覚フィードバックを使用してコンピュータ化されたバランス運動(2つの研究のどちらも主要な効果判定データは提供されなかった)。7.振動版を使用した介入(3研究のうちの1つに主要な効果判定データが提供された)。8.多様な運動タイプ(以上の運動を組み合わせたもの)(43研究のうち29個が1つまたは複数の主要な効果判定を提供した):Timed Up & Go Test (MD -1.63 s; 95% CI -2.28から-0.98 s, 635名の参加者, 12研究); 開眼での片脚立位の保持時間(MD 5.03 s; 95% CI 1.19から8.87 s, 545名の参加者, 9研究), さらにその閉眼((MD 1.60 s; 95% CI -0.01から3.20 s, 176名の参加者, 2研究); 歩行速度(SMD 0.04; 95% CI -0.10から0.17, 818 名の参加者, 15研究); Berg Balance Scale ((MD 1.84ポイント; 95% CI 0.71 to 2.97ポイント, 80名の参加者, 2研究)。少しの有害事例が報告されたが、ほとんどの研究は有害事例の記録や報告はされなかった。全体的に、より効果的なプログラムは3週間に週3回の頻度で実施し、立位の動的課題が関与したものである。

 

著者の結論:

高齢者の臨床でのバランス結果の介入直後の改善に、いくつかのタイプの運動は適度に効果的であるという(歩行、バランス、調整と機能課題:筋力増強運動;3D運動と複合的な運動)弱いエビデンスがみられる。これらの介入はおそらく安全である。全身的な身体運動(歩行や自転車)やコンピュータ化されたバランスや振動版を含む運動について、いくつか結論を出すにはエビデンスがないかまたは不十分なものもある。さらに質の高い研究の方法論を使用しての核心的な効果判定の測定と十分な調査が必要となる。

 

 

URL:  http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22071817

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