邦題:認知症と肺炎を患った介護施設居住者の不快感、痛み、呼吸困難に関する前向き観察
Journal: J Am Med Dir Assoc. 2015 Sep 22
Authors: van der Maaden T, van der Steen JT, de Vet HC, Hertogh CM, Koopmans RT.
Reviewer: Yuki WAKATSUKI
Abstract
目的:
肺炎の診断から介護または死に至る期間、苦しんでいる認知症患者の観察データを記録することである。
対象と方法:
2012年1月から2014年5月までの前向き観察研究で実施した。オランダの介護施設における認知症と肺炎を患った患者193名であった。肺炎の診断から15日の以内の認知症患者に対して、観察者は13回の観察を行った ; 不快[Discomfort Scale-Dementiaof Alzheimer Type ( DS-DST ) ; 範囲0-27]、快適さ[End Of Life in Dementia-Comfort Assessment in Dying ; 範囲14-42)]、痛み[Pain Assessment in Advanced Dementia ( PAINAD ) ; 範囲0-10]、そして、呼吸困難[呼吸Distress Observation Scale ( RDOS ) ; 範囲0-16]の観察を行った。最初の2日間は1日2回行った。
結果:
症例の71.2%では、症状を楽にするために、解熱剤、オピオイド、酸素などの治療を1つ以上治療を受けた。また、89.4%は、抗生物質の治療を受けた。不快 ( Discomfort Scale-Dementia of Alzheimer Typeの平均得点8.1± 5.8 ) は、診断から1日後に最も高く、その後減少し、10日目頃より[平均4.5 ( SD 4.1 ) ]安定する、もしくは、死亡が増加した。観察された痛みと呼吸困難は、類似した傾向であった。不快は、抗生物質の投与の有無による症例の間の違いはなかった。
著者の結論:
認知症を患った肺炎患者は、診断の後10日間と死亡前日に、高い苦痛レベルとなった。全体的に観察された不快は、オランダの先行研究と比較して低かった。そして、症状を楽にする処置の数はより高かった。今後の研究は、肺炎の症状がより楽にさせることができるかどうか、またどんな治療が最も効果的か調べなければならない。