Title: Aerobic exercise to improve cognitive function in older people without known cognitive impairment.
邦題: 認知機能低下を伴わない高齢者における認知機能改善に対する有酸素運動
Journal: Cochrane Database Syst Rev. 2015 Apr 22
Authors: Young J, Angevaren M, Rusted J, Tabet N.
Reviewer: Tatsuya HIRAI
Abstract
BACKGROUND:
健康的な加齢をサポートするための身体運動の証拠は増加している。運動は心血管系、呼吸器系、筋骨格系、その他を改善する。とりわけ有酸素活動は心血管系適応を改善し、最近の知見によると、高齢者の認知に対してより良い効果をもたらすかもしれない。
OBJECTIVES:
認知機能低下が明確でない高齢者における認知機能に対して、心肺機能の改善を目的とした有酸素身体活動の効果を評価すること。
SEARCH METHODS:
我々は、 ALOIS - the Cochrane Dementia and Cognitive Improvement Group's Specialized Register, the Cochrane Controlled Trials Register (CENTRAL) (all years to Issue 2 of 4, 2013), MEDLINE (Ovid SP 1946 to August 2013), EMBASE (Ovid SP 1974 to August 2013), PEDro, SPORTDiscus, Web of Science, PsycINFO (Ovid SP 1806 to August 2013), CINAHL (all dates to August 2013), LILACS (all dates to August 2013), World Health Organization (WHO) International Clinical Trials Registry Platform (ICTRP) (http://apps.who.int/trialsearch), ClinicalTrials.gov (https://clinicaltrials.gov) and Dissertation Abstracts International (DAI) up to 24 August 2013を検索し、言語の制限はかけなかった。
SELECTION CRITERIA:
我々は、55歳以上の認知的に健康な対象者における、いくつかの運動介入もしくは非介入を伴う有酸素活動プログラムの認知機能に対する効果を比較したRCTs論文を調査した。
DATA COLLECTION AND ANALYSIS:
2つの独立したレビューは調査から除外した。
我々は、認知測度を、注意、記憶、知覚、実行機能、認知的抑制、認知スピード、運動機能を含む11カテゴリーに分けた。 我々は、介入効果の測度とランダム効果モデルを使った総合的なデータとしてグループ間の平均差(もしくは標準平均差)を使用した。我々は他の運動を伴うもしくは伴わない有酸素運動介入、社会的介入、認知的介入を比較するために分割分析をおこなった。さらに、我々は心肺機能が向上した者のみ分析した。
MAIN RESULTS:
754名を含んだ12文献が採用基準に見合った。介入期間は8〜26週間であった。我々は少なくとも2、3領域におけるバイアスの中、高リスクであった全ての介入を判定した。バイアス領域のいくつかのリスクに関する報告は乏しかった。いくつかの介入に対する有酸素運動の比較分析はいくつかの認知領域において有酸素運動が役に立つという証拠はみられなかった。 このことは、介入をしない有酸素運動の比較分析の真実でもあった。有酸素運動によって改善した心肺機能適応における文献のサブグループのみの分析では評価されたいくつかの認知領域における改善は一致しなかった。有酸素運動と比較した柔軟性もしくはバランス介入のサブグループ分析においても、いくつかの認知領域における有酸素運動の利点はなかった。ドロップアウト率は有酸素運動群とコントロール群で違いはなかった。有害事象はなかった。まとめると介入が心肺機能適応の改善を導いた場合に限って、有酸素運動が認知機能に役に立つという結果はなかった。
AUTHORS' CONCLUSIONS:
我々は、有酸素活動(心肺機能の広報に成功した者を含む)が健常高齢者におけるいくつかの認知機能に役立ったというRCTの利用可能なデータの根拠がないことを見出した。より大きな研究が、有酸素運動が認知機能改善か否かの確定に必要とされる。
Update of
URL: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25900537