邦題 : PACSLAC-Jの開発と妥当性
Journal : Arch Gerontol Geriatr. 2013 Nov-Dec;57(3):403-410.
Authors : Takai Y, Yamamoto-Mitani N, Suzuki M, Furuta Y, Sato A, Fujimaki Y.
Reviewer : Yuki Wakatsuki
Abstract
目的:
この研究は日本語版PACSLACの開発を目的とし、日本の認知症高齢者への使用のために評価の妥当性と信頼性の確認をする。
方法:
高齢者病院の2つの認知症病棟と2つの高齢者ケア施設のすべての患者に参加を求めた。人口統計学的データ、処方薬、アルツハイマー病の行動症状評価(BEHAVE-AD)得点とPACSLAC-J得点はカルテから得た。研究者は、患者の歩行もしくはベッドと車椅子の間の移乗している際の痛み行動を評価するためにPACSLAC-Jを使用した。評価者間および評価者内信頼性の級内相関係数(ICC)、Cronbachα係数とPACSLAC-J得点と他の変数間の相関関係を調査した。
対象:
合計117人の高齢患者は参加した。対象者はアルツハイマー病(n=54)や脳血管性認知症(n=35)を含む認知症と診断された。
結果:
評価者間信頼性のICCは0.917と評価者内信頼性のICCは0.600であった。内的整合性は0.782であった。対象者が運動中に痛いと述べた患者は、運動中に痛みがないと述べた患者よりも高い得点であった。PACSLAC-J合計得点は、BEHAVE-AD得点と関連していなかった。重回帰分析は、移乗している間の介助への依存度合と(β=0.32、p=0.001)、精神医学的な薬物処方(β=0.26、p=0.003)が、PACSLAC-J得点と関連していることが分かった。
結論:
我々は、PACSLAC-Jの妥当性と信頼性の十分なエビデンスとなる調査を行った。