Title: Ability of the Pain Recognition and Treatment (PRT) Protocol to Reduce Expressions of Pain among Institutionalized Residents with Dementia: A Cluster Randomized Controlled Trial.
邦題: 認知症の施設入所者のおける痛みの表現を減らすための痛みを見分ける能力と処置方法(PRT):クラスター無作為化比較試験
Journal: Pain Manag Nurs. 2015 Nov 12
Reviewer: Yuki WAKATSUKI
Abstract
背景:
介護施設にて痛み管理方法の改善ために、多くの治療方法が使用されているが一般的な治療方法はない。
目的:
本研究の目的は、看護師に対して、基本的な痛み教育に加えて、痛みの見分け方と処置方法についての教育を受けた群(実験群)と、基本的な痛み教育のみを受けた群(対象群)に分け、それぞれの痛みの見分け方と処置方法(PRT)の効果を比較することである。内容は、(1)看護師の痛み管理行動の改善、(2)介入直後と3か月後の認知症入所者の痛みに関連した表現の減少である。
対象と方法:
3か月間の追跡調査は、6つの認知症の特別介護施設に入所する195名に対して、二重盲検クラスター無作為化比較試験によって行われた。看護師による痛み管理行動(例:投薬の使用や非薬理的な方法、他者の意見を参考にすること)を毎週記録し、そして、各週の認知症居住者の痛みに関連した表現の平均得点をデータに使用した。 詳細は、語句評価スケール(VDS)、Pain Assessment in Advanced Dementia Scale (PAINAD)、コーエン・マンスフィールドagitation評価票(CMAI)である。
結果:
一般化線形混合モデルによる分析は、介入後、実験群は対象群よりも、非薬理的な痛み軽減の方法を多く用いており、また痛み管理についての他者の意見参照の回数が有意に増加した。実験群は、対象群と比較して痛みの言語的、行動的表現の有意な減少を示した。しかし、投薬の使用や住居者の動揺した行動は、両群に有意な差はなかった。
著者の結論:
痛みを見分け方と処置方法(PRT)は効果的であり、痛みケアの質の改善のために、繰り返しの使用を勧める。