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Title:  BMI and all cause mortality: systematic review and non-linear dose-response meta-analysis of

230 cohort studies with 3.74 million deaths among 30.3 million participants

邦題: BMI と死亡リスク:230例のコーホート研究のシステマティック・レヴュー

Journal:  BMJ. 2016; 353: i2156.

Authors:   Aune D, Sen A, Prasad M, Norat T, Janszky I, Tonstad S, Romundstad P, Vatten LJ.

Reviewer: Maki AOYAMA

目的: コーホート研究のシステマティック・レヴューにより,BMI と死亡リスクの関係を明らかにする.

内容:  身長と体重から,太っているか,痩せているかという肥満度を算出する体格指数(BMI:Body Mass Index)をご存知と思います.ではBMIの数値がどの程度の時に死亡リスクが一番低くなるのでしょうか.BMIと死亡の関係を調べた研究はこれまでいくつも行われてきましたが,結果にはばらつきがありました.しかし今回,そうした研究のデータを基に,ノルウェーの研究者たちが,これぞ決定版という分析結果を論文発表しました.

         BMIと死亡の関係を調べる際に重要なのは,影響を与える他の要因を排除することです.健康を害する何らかの習慣がある,あるいは,既に健康を害しているが故にBMIが低くなったり高くなったりしている可能性があるからです.例えば喫煙は,死亡リスクを非常に高める因子のひとつです.同時に,

       喫煙者は非喫煙者に比べ体重が少ない傾向にあります.また,慢性疾患を有する患者では,体重が減少するにつれて死亡リスクが上昇します.正式に診断される前から,病気のせいで体重が減っている人もいます.

     そこで今回,研究者たちは,(1)BMIを測定する時点で何らかの病気にかかっている患者を分析から除外する,(2)死亡に関する追跡を開始した時点から短期間のうちに死亡した人は分析から除外する,(3)追跡期間が短い研究と長い研究を分けて分析する,といった方法を用いれば,より正確にBMIと死亡の関係を知ることができる,と考えました.

医学文献のデータベースからBMIと死亡の関係について報告していた研究を検索したところ,230件の研究が条件を満たしました.対象人数は計3000万人以上,追跡期間中に約375万人が死亡していました.これらを基に,BMIが5上昇すると死亡リスクがどれくらい高くなるかを推定したところ,1.05倍になりました.

喫煙,肥満等,結果に影響を及ぼすと予想されるさまざまな要因を丁寧に排除したところ,死亡リスクが最も低いのは,BMIが20~22であることが示唆されました(標準体重はBMIが18.5~25未満とされている).

結論:  喫煙者などを除き,健康な人のデータに絞って分析した結果,死亡リスクが最も低いのはBMIが20~22の人であることが明らかとなりました.非喫煙者で健康であれば,「やせ気味」を過度に気にする必要はないといえる.

URL: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4856854/

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