
Title: Physical examination findings and their relationship with performance-based function in adults with knee osteoarthritis.
邦題: 膝OAを有する成人における理学的検査所見および、理学的検査所見と運動機能との関連
Journal: BMC Musculoskelet Disord. 2016 Jul 12;17(1):273
Authors: Iversen MD, Price LL, von Heideken J, Harvey WF, Wang C.
Reviewer: Tatsuya HIRAI
Abstract
BACKGROUND:
膝の機能を評価するための運動機能テストは多く存在するが、膝OAに特異的なものは存在しない。
国際OA研究所は膝OAにおいて6つの運動機能評価を推奨している。
初期の研究では膝痛もしくは膝OAにおいて理学的検査とセルフレポートもしくは理学的検査と選択的な運動機能テストの関係がテストされてきたが、全ての関連について検討を行ったものはない。本横断研究では特に理学的検査、機能的運動テストおよび自己報告的機能の関連をテストする。
METHODS:
我々は、膝OAを有する40歳以上の87名の参加者における前向きRCTからの理学的検査データのベースラインを使用した。 3名の経験のあるPTにより、理学的検査すなわち筋力、機能とスペシャルテストが行われた。参加者は機能的な運動テストと the Western Ontario and McMaster Osteoarthritis Index (WOMAC)も実施した。重回帰分析は機能的運動機能とWOMACに対する理学的検査の貢献を同定した。
RESULTS:
参加者の平均年齢は60.4歳(SD = 10.5)、平均罹患期間は8.4年(SD = 10.1)で27名は内反変形であった。
平均WOMACの痛みと機能スコアは211 (SD = 113)と709 (SD = 394)であった。筋力低下は股関節,膝関節の主要な筋に存在していた。79%はエリーテストが陽性で、65%はWaldron陽性、49%はGrind陽性であった。6分間歩行の平均は404 m (SD = 83)で、Berg Balanceテストの平均は53 (SD = 4)であった。回帰分析は5つのスペシャルテストが有意(p<0.05)な変数として抽出され、6分間歩行がより関連しない指標であった。アプレーテスト陽性は20m歩行の低速度(p<0.05)と、オーバーテスト陽性はバランススコアの低値(p<0.05)と有意に関連した。
CONCLUSIONS:
股関節筋力、柔軟性の低下および膝蓋骨の機能不全は症候的膝OAの成人に認められた。機能的運動テストの結果は、バランスと歩行能力は低下し筋長のアンバランス、股関節筋力低下および膝蓋骨機能不全の結果である理学的検査と関連することを示唆する。理学的検査と自己報告の関連はなかった。それゆえ、運動を基盤とするテストの結果はリハビリテーション介入の報告で有用かもしれない。
*Waldron Sign
検査者は、被験者がスクワット中に膝を軽く圧迫し、痛みや轢音を確認する。
膝蓋大腿関節と軟骨の正常な状態を評価する。
陽性は軟骨軟化症、膝蓋骨の圧迫による膝蓋骨もしくは膝前方痛を示す。
*Grind Test
被験者は膝を少し曲げて仰臥位になる。
検者は膝蓋骨の上端を遠位に力を加え、その際、患者は大腿四頭筋を収縮させる。
痛みが出たら陽性で、膝蓋骨後方と大腿骨の滑車部の正常な状態を評価する。
URL: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4941016/pdf/12891_2016_Article_1151.pdf