
White Matter Microstructural Damage as an Early Sign of Subjective Cognitive Decline.
Front Aging Neurosci. 2020 Jan 28;11:378.
Luo C, Li M, Qin R, Chen H, Yang D
邦題: 主観的認知低下の初期サインとしての白質微細構造損傷
レビュワー平井達也
Abstract
Background and Objective:
主観的認知低下(SCD)はアルツハイマー病(AD)の前臨床状態と見なされ、健忘性軽度認知障害(aMCI)よりも進行した前臨床状態を表す場合がある。我々の目的は、これらのADスペクトラム患者の白質(WM)微細構造と認知機能との相関関係の変化を調査することである。
Methods:
アトラスベースのセグメンテーション戦略を使用して、正常な認知(NC)を持つ43人、SCD患者38人、aMCI患者36人からの拡散テンソル画像を比較した。拡散パラメーターと認知機能との相関関係をさらに分析した。
Results:
WM障害の解剖学的パターンは、SCD患者とaMCI患者で一般的に類似していた。しかし、aMCI患者は、有意に低い非等方性異方性(すなわち、脳梁鉗子と小鉗子)を示し、平均拡散率[すなわち、両側視床前方放射線(ATR)、左皮質脊髄路(CST)、小鉗子、左帯状回(帯状回) )、左帯状海馬、および左下前頭後頭束(IFO)]は、SCDよりもいくつかのトラクトで増加し、aMCIのWM微細構造の完全性の破壊を示している。線形回帰分析で示されるように、一般的な認知および記憶機能テストでは、小鉗子、左帯状回(帯状回)、および左帯状海馬路の微細構造破壊を有する個人の成績が悪化した。
Conclusion:
SCDは、aMCIで見られるものと同様のパターンで広範なWM微細構造の損傷を有していたが、認知的に健康な対象者に匹敵する認知能力を示した。我々の結果は、WMの整合性が客観的に測定可能な記憶低下に先行する可能性があり、ADの潜在的な初期バイオマーカーである可能性があることを示唆している。