
Neuroanatomy of impaired self-awareness in Alzheimer's disease and mild cognitive impairment
Cortex. 2013 Mar;49(3):668-78.
Zamboni, Erin Drazich, Ellen McCulloch, Nicola Filippini,
邦題: ADとMCIにおけるセルフアウェアネスの神経解剖
レビュワー平井達也
Abstract
Introduction: アルツハイマー病(AD)と軽度の認知機能障害(MCI)の患者は、認知機能障害を気づいていない場合がある。 病態失認または自己認識障害と呼ばれるこの症状の根底にある神経解剖学的メカニズムは、まだよく理解されていない。 本研究では、MCIとADの患者の自己認識の機能的な相関関係を調査することを目的とした。
Methods: 51名の参加者(17名の健康な高齢者、17名のMCI患者、17名のAD患者)がそれぞれ研究パートナーを伴い、fMRI研究に参加した。 彼ら自身(自己条件)または彼らの調査パートナー(他者条件)に関する質問をした。 調査パートナーは、同じ質問に回答する紙のアンケートに記入するよう求められた。参加者と調査パートナーの回答を比較し、2つの条件(自己とその他)のそれぞれについて「差異」スコアを計算した。
Results: 行動変数の結果は、AD患者が対照およびMCI患者よりも有意に高い「自己矛盾スコア」を示したのに対し、「他者矛盾スコア」のグループ間に有意差はなかった。 イメージング結果は、前頭前野と側頭前野の脳の活性化において、グループごとの有意な相互作用を示し、AD患者は、これらの領域の活性化が自己条件でのみ有意に低下したことを示した。 対照群とMCI群のどちらにおいても、自己条件と他者条件の間に有意差はなく、これらの群では自己評価および他者評価が同様の神経解剖学的基質を共有していることを示唆している。
Conclusions: 内側前頭前野と前側頭皮質の機能的活性化の低下は、AD患者の自己認識障害と関連している。 この機能障害は、自己評価に固有で、他者評価には固有ではないが、ADの病態失認の一因となる可能性がある。